TAPICアディクションセンター

TAPICアディクションセンター

~アディクション(依存症)は、回復できる病気です~

依存症 Butterfly Heart 令和6年 年間研修スケジュール

依存症という病気

依存症とは

特定の物質や行為をコントロールできなくなっている状態です。やめようと思ってもやめられない、意志だけではどうしようもならなくなってしまいます。
脳の中で「報酬系」と呼ばれる回路が変化する脳の病気です。
癌などの病気と同じように進行する病気で、早めの受診が大切になります。


どんな人が依存症になるのか

依存する物質や行為を使用したことがあれば、だれでもなる可能性があります。
少しだけなら…
一杯だけなら…
みんなやっているから…など、
周囲の親しい(断りにくい)人から勧められたことがきっかけになるとも言われています。
決して意志の強弱や性格の問題ではありません。
また親や近親者に同じような依存症の問題を抱えた人がいると、子や孫の世代に渡って世代間伝播が起こりやすいとされています。

どのような問題(障害)が起こるのか

飲酒や薬物使用、ギャンブルなどの行為を優先し、生活や仕事、家族関係に悪影響が起きてしまいます。
最初は快楽を感じ、楽しい時間を過ごせるかもしれません。しかし病気が進行するにしたがって「苦しい気持ちから逃れたい」「現実から離れたい」といった、苦痛を和らげるための「自己治療」として悪循環に落ちいってしまいます。

依存症治療・回復について

断酒、節酒、減酒といった本人のニーズに沿った治療方針を考え、服薬などの調整を行います。入院治療として、科学的根拠に基づいた治療プログラムも提供しています。
依存症は1人で立ち向かうのはとても手ごわい相手です。自助グループなど同じ経験をしている仲間のサポートや家族・医療との連携などが大切になります。


依存症治療・回復に向けた説明会を実施

TAPICアディクションセンター 院内風景

当院の依存症治療

お酒(薬物・ギャンブル)は松葉杖

依存症の状態になると、お酒を飲むことで、何とか自分を保っている状況です。お酒のおかげで生き抜いていると言っても過言ではありません。お酒が松葉杖の代わりなのです。
乱暴に取り上げてもうまくいきません。安心できる環境(病院)で少しずつ松葉杖を手放す取り組み(プログラム等)をしていきます。

    • ご本人の困りごとに寄り添い、一緒に考えます
    • ご本人の自己決定を尊重します
    • ご本人が依存物質や行動に頼らなくて済むように支援します

治療の目的は、依存を止めることではありません。ご本人が人生を満足して生きることです。笑顔を取り戻すことです。依存物質・行動がなくても笑顔でいられること、安心して人生を歩めることを支援します。


専門知識を持ったスタッフが親身に対応


ご家族への支援を大切にしています

依存症という病気は、病気が問題の引き金となってご家族を深く巻き込んでいきます。ご家族だけで抱えることなく、医療や支援者と一緒にご本人の回復を支えていくこと、ご家族が安心でき、元気になれることが大切だと考えます。ご家族自身が孤立してしまわないように信頼できる場所や相手を見つけておきましょう。

当院では、ご本人が受診されない場合、まずはご家族だけでもご相談していただけます。お気軽にお問い合わせください。

治療病棟のキャッチフレーズ

「笑顔でつながるストレスケア病棟」

リラックスし笑顔で過ごせる治療環境で、遊び心を大切にしながら、ユニークな取り組みを行います。


「笑顔でつながるストレスケア病棟」を大切に、スタッフ一同取り組んでまいります。

当院の取り組み

TARP

当院オリジナルテキストTARP(TAPIC Addiction Relapse Prevention Program)を作成し、認知行動療法アプローチを行っています。米国マトリックスモデルをベースに日本向けにアレンジしたもので、SMARPP(Serigaya Methamphetamine Relapse Prevention Program)を参考に、依存対象に関わらず使用できるよう工夫しています。

架け橋モデル

専門医療機関から総合病院に医師が出張しアルコールリエゾン診療を行う「架け橋モデル」を実践しています。厚労省モデル事業に採択され、現在も取り組みを続けております。

Ultra-BI

忙しい医療従事者や産業保健従事者がアルコールに対する支援を行うことを想定して、当院の手塚医師が中心となりUltra-brief Intervention(「超」簡易減酒支援:以下Ultra-BI)を開発しました。Ultra-BIはリスクの高い飲酒習慣を有する方に対して、30秒以内の簡単なアドバイスと共にリーフレットをお渡しする、ごく簡単な介入方法です。

以下の資料は自由に使用、公開、転用していただいて構いません。

資料はどれもA4両面印刷で1枚に収まります。
是非印刷していただき、日々の診察や教育等にご利用ください。


担当医よりメッセージ

担当医

精神科医師
アディクションセンター長

手塚幸雄(てづかゆきお)

担当医よりメッセージ

依存症は、人との繋がりによって回復していきます。私たち支援者は、笑顔で寄り添い、回復の手助けをします。
お酒をやめるように説教したり、強く指導したり、ということは行いません。
依存症専門病棟は、快適に笑顔で過ごせる環境を提供します。患者さんご本人と信頼できる人間関係を築き、笑顔で楽しい時間を共有しながら、今後に向けてそっと背中を押す。
これが私たちの依存症診療です。


スタッフ